- 企業情報
- のどかで緑豊かな街並みの中に構える同社の拠点。ここで、「ゼロ」から納品までが一貫して行われる。一通りの設備が揃い、受託製造工場として十分なキャパシティだ。大きな強みは、これだけのファシリティを誇りながら、東京都下にあり、その中心から40キロ圏内というアクセシビリティの高さ。立地の良さを最大限に活かし、あらゆるフローが、強みの相乗効果を生み出すよう製品づくりが行われる。だから、自ずと顧客満足度も高まる。
- <いかにすれば、顧客が満足するのか>代表の宮川にとって、その答えは十分過ぎるほど分かっている。なぜなら、前職でも健康食品関連の製造工場に勤務し、顧客が満足するハズの商談がご破算になるシーンを一営業マンとして数多くみてきたからだ。
- ユニークな製品、小ロットの商材…。経済合理性の低い商談は、どうしても営利を最大限に追求する企業としては受けづらい。一方、営業としては、顧客が望むものはなんとか形にしたいという思いがある…。そうしたやりきれない思いが募り、宮川代表は、自ら会社を立ち上げた。だから、同社が顧客の期待に応えないわけがない。
- もっとも、立派な設備を誇る企業の一社員から、工場のない一個人事業主では、知見やノウハウはあっても、思い通りに期待に応えることもできない。独立した2009年からは専ら、企画屋として、顧客のニーズを引き出し、協力工場を駆使して、製品化する日々が続いた。幸い、紹介によって、案件が途切れることはなかったが、企画屋ゆえに、比例して信頼を積み上げるのは、なかなかの苦難だった。
- 大きな転機となったのは、2013年。閉鎖する工場から、受託製造で必要となる機材一式を買い受けることができ、ついに工場を保有する。これにより、受託メーカーとしてのクライアントからの信頼が飛躍的に増大。会社も安定軌道に乗りはじめる。そうなれば、宮川の思いもワンランクステージが上がる。会社を軌道に乗せることがメインだった経営のかじ取りが、一営業マン時代に心残りだった理想の製造工場へ近づく方向へとシフト。経営の安定と並行し、全ての原動力となる工場の充実へも、力を注げるようになる。
- 2015年11月には、新工場を竣工。最初の工場ではまだ外注していた作業も、そのほとんどを内製できる体制を整え、宮川の理想のカタチへと大きく近づいた。宮川が理想に描くのは、顧客の思いをできるだけ熱いうちに形にし、そして納品まで実現することだ。具体的なイメージが固まっていても、小ロットゆえにご破算になった商談をみてきた男にとって、顧客にとっての最大の喜びが、思いがすぐに形になるということを肌感覚で分かっているのだ。
- 象徴的な設備が、試作品専用のラボだ。少量の製品づくり用の小型機器が揃う同ラボでは、顧客の思いをすぐに形にできる。思いがあっても、イメージができない顧客の場合、現物をみるのがベスト。だからこその専用設備だ。経済合理性的には排除されがちだが、宮川にとって、そうした配慮こそが重要なのだ。
- 機動力の高さを活かす体制も万全だ。同所では常時1000種類超の原料をラインナップ。定番品から流行ものまでひと通り揃えることで、ゼロからの顧客ニーズにも迅速に、そして柔軟に対応する。さらに同社では、デザインから商品撮影まで対応。具体的に製品化までのイメージを描いてもらうというのがひとつ。そして、もう一つはリードタイムを限りなく短縮するためだ。せっかく製品化までスムーズに進んでも、パッケージデザインで躓くことは珍しくない。そうした経験から、短納期を実現すべく、あえてデザインまで対応する体制を整えている。
- 柔軟性とスピード感。市場の移り変わりが激しい昨今、入念なマーケティングも大事だが、何より求められる2大要素に愚直なまでにこだわる同社。第三創業期といえる、新工場を基点にした7年目以降は、受託工場としてのさらなるクオリティ向上を目指し、躍進を図る。具体的には、6月にGMPを取得。これまで以上の品質追求を図り、一層の信頼を積み上げる。さらに、最初の工場竣工から8倍にアップした生産キャパの稼働率を引き上げるべく、内製化率を限りなく100%に近づけ、受託企業としての完成度を高める。
- 顧客の思いを無にした無念さから独立した宮川代表が、7年かけて辿り着いた理想のカタチ。名刺の隅には「健康食品企画提案工場」と記されている。それは、同社が、単に顧客のオファーを受けるだけに留まらない、ゼロベースからでも結果的に欲しかった製品を生み出せる、健康食品・サプリメントの製造・販売を考える顧客にとっての設備とノウハウ、そして期待を裏切らない熱い思いが詰まった受託企業でありたい、という秘めた思いが詰まったメッセージでもある。
以上